A20ハプロ不全症

ベーチェット病では、家系内の多くの発症者をみることが知られていました。これはHLA(白血球型)が関与すると考えられていましたが、近年一遺伝子の変異で発症するものがみつかりました。これが、A20ハプロ不全で、TNFAIP3と遺伝子で、炎症を抑制する機能不全により発症します。

症状は通常のベーチェット病と同一で、周期性発熱、反復性アフタ、皮疹、関節痛に加えて、外陰部潰瘍や消化管潰瘍、ブドウ膜炎も呈することがあります。常染色体優性で、早期に発症します(新生児期から29歳まで)また、全身性エリテマトーデスや自己免疫性肝炎、乾癬、橋本病、IgA血管炎、ネフローゼ症候群などとの合併例も報告されています。不明な点も多く、他疾患として加療されている人も多いことが推察されています。